Q13. 外国ではどうなんですか?
A13 世界で一番ボランティアが盛んだ、と言われる国はアメリカです。アメリカでは子どもたちも小さい子は小さいなりに、大きい子は大きいなりに、自分でできるボランティアをさがし、すすんでやろうとしています。例えば孤児院で小さい子に自転車の乗り方を教えるとか、病気の動物のために毛布を集めて動物園に送るというような活動を、自分で考えて始めているのです。
これほどボランティアに積極的なのは、アメリカの社会が「ボランティアがいなければ成り立たない」といわれるほどボランティアを必要としているからです。アメリカ全体でボランティアに費やされる時間を合わせると、18歳以上の国民1人あたり1週間に4時間以上になるそうです。
これほど盛んな理由は、アメリカが移民の国で、自分たちの手で土地を切り開き国を作り上げたという歴史があるので、「自分たちのコミュニティーは自分たちの手で守る」という建国の精神が根強く生きているのです。これがボランティア活動へと結びついているといえるでしょう。もう1つの理由は、キリスト教の隣人愛の精神です。小さい頃から日曜日ごとに教会に通い、身近にボランティア活動を見てきたため、当たり前のこととして受け止められるようになっていると考えられるのです。
逆にスウェーデンは、世界で最も福祉がすすんでいる国と言われています。福祉のサービスや救援活動などは他の国ではボランティアがやっていますが、スウェーデンでは国や市の仕事です。その代わり非常に高い税金や社会保険料を払わなくてはいけません。では、ボランティア活動は盛んではないのかというと全く違います。スウェーデンでは土曜日曜の他に2ヶ月近くの休日があります。さらにフレックスタイムなどでやりたいことを自由にできる時間がたくさんあるので、自分の特技や趣味を生かしてボランティアをしている人が非常に多いのです。